当店でこれまで販売しているタイ産のオウゴンオニssp!業者様に中にはタイ産ババオウゴンオニとして販売している所も見受けられます。実際はタイ、カンチャナブリのオウゴンオニは亜種モセリとされており、タイ産のモセリと表現するのが正しいのだろうと思っております。では何故当店ではsspと表記しているのか?それは明らかにマレーシアのモセリとは違った(ババイの形状)の個体やモセリとババイの中間的な色合い、ババイの様に飼育では大型になりやすい等の特徴があるからです。モセリなのか?ババイなのか?どちらなの?と問われればババイに近いと思います。では何故ババイとしないのか?

先ずババオウゴンオニについて説明します。
産地:ミャンマー・タニンダーリ(旧テナセリウム)南部のインド洋に面した独立峰の標高700mのみ
特徴:オス 上翅はエナメル状の光沢を有し、亜種モセリの様な青みがかった個体は皆無!大アゴ先端部は下が長くなる
〃 :メス 上翅会合部の黒色部は幅広く明瞭、前胸側縁の突起は殆ど出ない又は痕跡程度、モセリはやや突出する。

BE-KUWA14号・タランドゥスとオウゴンオニ大特集ではモセリとババオウゴンの区別点が詳しく掲載されており、またビルマとタイ国境に位置するビラウタウ山脈のタイ領側のカンチャナブリ県カオ・カラーと言う山がモセリの最北産地と言う記述があります。さらにビラウタウ山脈の個体群は前胸側縁の突出度等からババイではなく、亜種モセリに含めるべきと考えられる個体群が分布すると掲載されております。またテナセリウム州産の個体を詳細な検討をする事なく亜種ババイと同定しているケースが目立つとも記載しております。

上記の事を簡単にまとめるとミャンマー・タニンダーリ(旧テナセリウム)南部のインド洋に面した独立峰の標高700mで採集された個体群のみが亜種ババイで、それ以外はタニンダーリ産であってもババイではないと、この記述からはとれるのです。そしてこの産地を知っているのは採種者H.Lehmann氏と馬場氏のみで今の所、公開されてはおりません。国内では以前ババオウゴンオニとして入荷した個体の累代品が市場に出回っております。過去に入荷した個体群の中にはまさに、その産地で採集された個体もあったかもしれませんが、実際は確認のしようがありませんし、CB個体では検証のしようもございません。もし今後ミャンマーから天然個体のオウゴンオニが入荷し、その個体群及びWF1個体全てがババイの特徴を示していれば大当たりと言う事になろうかと思います。

今回の事を総合的に考慮すればタイ産オウゴンオニをババオウゴンオニとして断定してしまうのは、 いかがなものか?と思ってしまうのです。
書籍ではBE-KUWA14号、KUWATA No24に詳しく掲載されております。本来その2つを見て下さいと言いたいのですが現在いづれも入手難と思いますので、私の判りにくい文章ですみませんが参考程度になれば幸いです。